・整備

自動車整備士は、自動車整備士国家試験に合格し、その専門技術と知識を生かして自動車の点検や整備、修理などを行う仕事です。車のトラブル時には故障箇所を見つけて機能を元通りに回復させますが、不具合がなくても定期的な検査を行うことで、車が安全に走れるようにします。

点検整備

いわゆる車検(自動車検査登録制度:国土交通省が、国内の自動車を対象に、保安基準に適合しているか確認するため、一定期間ごとに検査を行い、登録する制度)をはじめとする定期点検がこれにあたります。
自動車は、特に不具合やトラブルが発生していなくても、製造後の年数が経ったり走行距離が長くなったりすることで、部品が少しずつ劣化していきます。そのため定期的に点検を行い、ベルトやブレーキの摩耗、オイルの状態などをチェックして、消耗した部品の交換を行います。事故を未然に防ぐには欠かせない整備です。

緊急整備

突然のトラブル、たとえばエンジンが掛からなくなったり、衝突事故にあって車体が破損してしまった場合など、緊急の故障や事故に対応して車の修理を行います。
主にエンジンや電気系統などを点検して修理箇所を特定します。箇所が特定されたら、部品の交換や分解などを行い、車が安全に走れるように修理をします。

・修理

損傷した車の修理

交通事故や自損事故などで壊れた部品の交換や、外装の鈑金・塗装だけでなく、フレームのゆがみをコンピュータで計測し、元の位置まで戻すなど、高度な技術を必要とします。車がより安全に走行できるようにします。さらに、ほかの部分もチェックして二次故障を防ぎます。

点検業務

車の安全性と快適性を保つために大切な仕事で、エンジンやミッション、電気系統、ステアリング(操縦機器)、ブレーキ、アクセルなど、あらゆる装置を点検して、摩耗や破損部分があれば、交換・修理をして、車の性能を保つ作業を行います。

・鈑金塗装

鈑金塗装は、自動車の表面を覆う(外装)と呼ばれる部分において。凹みなどの変形や表面に対する傷、擦ってしまうことによる

塗装剥がれなどの損傷を受けた際に、そうした損傷部分を修繕し、新品同様というのは難しいとしても

新品になるべく近づけるように状態を復活させる施工のことです。

ボディの塗装は何層もの塗装層でされますがその厚みは高級車で100~170μ(0.1~0.17mm)、軽自動車や普通車は80~120μ(0.08~0.12mm)と言われています。

板金塗装を必要とするケースにはどのようなものがあるでしょうか。作業手順と併せて解説します。

ひっかき傷やこすり傷が付いたとき

普段から注意して車の運転をしていても、ひっかき傷やこすり傷が付くことがあります。小石や砂が跳ね返ったり、山道を走行中に木の小枝が飛び出していたり、車庫入れで宴席や障害物に接触したりなど、原因はさまざまです。

猫がボンネットに乗っていて、爪を立てたために線傷が付くこともあります。またいたずらで車を傷付けられることもあります。

浅い傷の場合は、コンパウンドなどを使って傷を目立たなくすることができます。しかし場合によっては傷が深かったり広範囲に及んだりすることもあり、放っておくと錆つくことがあるので、鈑金作業が必要になります。

ひっかき傷やこすり傷の場合の鈑金作業の手順

引っかき傷やこすり傷の場合の一般的な鈑金作業の手順は以下の通りです。

1. 傷の大きさや範囲を確認します。
2. サンドペーパーを使って傷の周辺を研磨して傷を目立たなくします。
3. 研磨した箇所の汚れを取り除き、塗料を塗ります。
4. さらに研磨した平らにし、下地塗布のために油分や汚れを落とします。
5. マスキングをしてから下地を塗布します。
6. 下地が乾燥したら研磨して平らにします。
7. 塗装作業をして仕上げます。

へこみ傷が付いたとき

衝撃により車のボディーやバンパーにへこみ傷が付くこともあります。鞄や買い物袋をぶつけて小さなへこみ傷が付くことや、駐車場で隣の車のドアが勢いよく開いたために大きめのへこみ傷が付くこともあります。

駐車しようとして縁石に乗り上げたり、周囲にある何かにぶつかったりする場合もへこみ傷が付きます。へこみ傷は塗装が剥がれ、放っておくと錆ついてしまうので、早めの修理が必要です。へこんだ箇所は鈑金作業で元通りにすることが可能です。

へこみ傷の場合の鈑金作業の手順

へこみ傷の場合の一般的な鈑金作業の手順は以下の通りです。

1. へこみ部分や周辺の損傷を確認します。
2. 補修部分の汚れを取り除きます。
3. へこみ部分は専用ツールで引っ張り出し、出っ張りはハンマーなどで叩いて成形します。
4. パテを塗る箇所を研磨します。
5. マスキングをしてパテを塗ります。
6. パテが乾燥したら研磨して平らにします。
7. 塗装作業で仕上げます。